お正月の初詣で引いたおみくじは大吉だった。
絵馬も書いたしお賽銭には500円も使った。
夏に家族で行ったキャンプで生まれて初めて見る流れ星にも、七夕の織姫様や彦星様に当てた短冊にだって、あたしが願うはひとつだけだ。
“ずっとレンくんと一緒にいられますように”
――それなのに、当の愛しのレンくんは、あたしを振った。
さよならグッバイマイスイートラブ……。
「どうした宮内」
「フラれた」
「どうした宮内」
「……何度も言わせんな、フラれた」
「ほう。……プッ、だせ。……それは災難だったな、まあ元気出せ」
「あんた笑ったよね、さりげなく笑ったよね。ださって言ったよね!?」
伏せていた上半身をのっそり起こして、前の席に座る青年を睨みつけた。
その茶髪が赤髪になるように頭をかち割ったろか。血で染めたろか。血しぶき上げさせたろか。