「なんだよ、航汰~。 ま、もういいや、行こうぜ~」
航汰先輩のその言葉でそのリーダー的男の人は目が覚めたのかどこかに行ってしまった。
多分、航汰先輩があたしのこと助けたことに大した意味がなかったんだろうけど。
それでも、あたしは嬉しかったんだ…。
だから、ブロック長が航汰先輩になった時はちょっとだけ嬉しかった。
切れ長の目に整った目鼻立ち。
そして薄い唇。
航汰先輩は俗に言う“イケメン”だ。
後から聞いた話だと、航汰先輩はこの学校一モテていたらしい。
そんなこんなで体育祭の日。
あたしはあの時初めて航汰先輩と話したんだ。