航汰先輩は一瞬あたしをジロリと見た。……気がしたけどそのまま無表情で教室を出て行った。 野次馬共が散らばっていくのを見ながらあたしはその場に固まっていた。 航汰先輩が喧嘩ばっかりしてるっていうのは本当だったんだ。 なんか人を殴り慣れてるような殴り方だったし、人を殴っても何にも感じていないみたいだった。