もぉ、やだ…。



それはまだ由紀ちゃんと仲良くなる前だったから、あたしにはあんまり友達がいなかったから、助けてくれる人もいなかった。


みんなこの集団を恐れてあんまり近づかないから。



あ~。


なんでこの廊下通ちゃったんだろう、最悪…。




「ねー、交換しよぉよ~」


「えっと……」


「やめろよ、怖がってんだろ、その子」





ふいにした声のほうに目を向けると、そこには千秋航汰先輩がいた。




いやいや、あなたもじゅ~ぶん怖いですけどね。