「大丈夫?」 「うわ、痛そ~」 走り終わった瞬間、友達がわあっとあたしに集まってきた。 足を見ると、だらだらと血が流れている。 悔しかった。 2位のままバトンを渡してしまって。 先輩の重荷になっちゃった…。 先輩、ごめんなさい。 1位でバトンを渡せなくて…。 「大丈夫か?」 ふいに頭上から聞こえた低い声にあたしは涙目の顔を“その人”に向けた。