昨日の夜から、朝のことをすっかり忘れていたあたしは、なんの躊躇いもなく、大樹に近づいて行った。
「なんかよう?」
そう言ったとたん、優羅が後退りしていくのが目に入った。
なぜかと思い、辺りを見回すと、優羅の元カレの祐介がいた。
未練はないが、優羅がフラれ、別れたあと、ちょっかいをかけられたり、変な噂を流されたりしていたため、優羅は、関わりたくないと言っていたから、後退りしたのだと、悟った。
優羅には悪いが、そのまま、大樹に問いかけた。

「んで?なんかようがあったの?」
「あ、あぁ。あのさ、単刀直入に言うけど、俺と付き合って」