七色の両声類は、美声を発しながらアップテンポなメロディーを口ずさむ。


わかっちゃいたけどやっぱり歌うんかい。帰宅神の軸のブレなさは異常だ。


そして黒翼の女神はというと……。


「お譲、お迎えにあがりました」


なんか黒服の男達に囲まれております。


「私、自分で、帰ります」


「いえ、最近はこの辺も物騒ですし、お譲にもしものことがあったら頭に合わす顔がありません」


「でも、私は」


「車を回しています。どうぞ」


「えっと、あの」


彼女の言葉に耳を貸さず、囲んだ状態で正門の前に止めてあるリムジンへと歩き出した。


回りに囲まれていては、進行方向に進みしかない。