まあ、可愛い女の子に褒められているから良しとしよう。だが宝具の盗み人、テメーは駄目だ。


「あざっす。けど、皆さん単独で大会に参加してますよね? 俺達みたいにペアとか組まないんですか?」


この場にいる帰宅神の内、ペアを組んでいるのは俺と先輩だけ。残りの三人は単独でのエントリーだ。


そういや帰宅神達に限らず、この大会の参加者のほとんどは単独かペア、多くても三人組が一般的だった。


何気ない疑問をパッと話すと、真っ先に口を開いたのは七色の両声類だった。


「チームを組んでもいいけど、そうなると最後に帰宅した人のタイムが記録としてカウントされるから旨味がないんだよね。誰か一人でも欠けたらその時点でアウトだし」


「動き、辛い」


「だな。それに外部の協力者として参加してもらった方が、自由度が増して戦略の幅が広がるからな」


「一長一短だ。外部の協力者として自由に動くか、参加者として柔軟に動くか。いずれにせよ、大人数での参加は控えた方が無難だな」


帰宅神からの有りがたいアドバイス。熱心な帰宅部員なら泣いて喜ぶ説法だろう。