疑問を含んだ声をあげると、先輩は少し身を乗り出してiPadを覗きこんできた。
ちょっ! 顔近っ! スベスベの白い肌がくぁwせdrftgyふじこlp!
「これは……ツイッターか?」
ハッと我に返って「そうです」と頷いた。
「ヘリを使って帰宅した“社長高校生”のタイムラインですよ」
なんともセンスのないアカウント名だ。てか社長じゃねえだろお前は。
「なにをしたんだ?」
「別になんてことないですよ。社長高校生がヘリを使って帰宅してる所を、2ちゃんやツイッターに書き込んで拡散させたんです」
大企業の御曹司がヘリを使って帰宅する貴重な光景。写メっといて正解だった。
「ちょっと調べたらガチで大企業の御曹司だったんですよ。そこの坊ちゃんが学校の通学にヘリを使ってるなんて知れたら、ネット住民の格好な餌食ですからね。すぐにツイッターのアカウントがバレて大炎上ってわけです」
リムジンの送り迎えぐらいなら、誰も喰いついてはこなかっただろう。