「凄いな。自家用ヘリか」
「って、関心してる場合じゃないですよ先輩! ていうかありなんですかヘリ!?」
「ありなんじゃないか? 自分で運転しているわけではないし、流石にヘリを持ちこんでくるとは夢にも思わなかったが……」
感情の起伏が緩い先輩だけど、これには驚きを隠せないようだ。
自家用ヘリを持ち込んだということは、かなりの金持ちに違いない。
そして奴の切り札でもあるのは明白。先輩と七色の両声類を打ち負かすつもりなんだろう。
ヘリなんか使われたら、トップで帰宅するのは馬鹿でもわかる。
上手くいけば帰宅神二人が三回戦落ち。最低でも一人は落ちる。
「まいったな。いくら私でも空を飛ぶ相手には敵わない」
「先輩でも空の敵を撃ち落とすことは出来ませんか……」
「海斗、君は私をサイボークか何かと勘違いしていないか?」
「すみません冗談です。けど、このままじゃヤバイっすね」