突風が弱まると、顔の前でクロスさせていた両腕を解き、眼前に広がる光景に目を疑った。


なんでグラウンドにヘリコプターが!?


プロペラが回り続ける鉄の塊は、玩具なんかじゃなくてマジモンのヘリコプター。


すげぇ、近くで見るのは初めてだ。記念に写メってとこ。パシャリ。


なんてプチ感動をしていたが、ハッと我に返った。


「まさかこれって……」


流石にないだろうと思ったが、常識では考えられないことが起こるのが帰宅部なのだ。


ヘリに近づく男子高校生が一人。


するとヘリからスーツ姿の男性が降りてきて、男子にペコリとお辞儀をするとヘリに誘導し中から扉を閉めた。


ちょっ!? あいつ同じ教室にいた奴じゃねえか!


対戦相手がヘリに乗って、再び浮上に空へと消えて行く。