カエルを使った妨害行動でもしてくるのかと想像して、背筋に冷たいものが伝った。


空からオタマジャクシがなくてカエルが降ってくるとか。帰路に潰れたカエルを敷き詰めるとか。


妨害というよりトラウマだな。勝てる気がしない。


「両生類ではない。両方の声を持つ人類。両声類だ」


「両声類?」


「すぐにわかるさ」


先輩はあまり話そうとしてくれない。


そういう性格なのか、ただ単に説明するのが面倒なのかは定かでないが、すぐにわかると言うのならすぐにわかるんだろう。


とりあえず彼女の背後をピッタリマーク。


すると昇降口で靴を履き換えた彼女は、スゥーッと深呼吸をして大きく息を吐き出した。


そして、