「だけど彼氏と出場だなんて羨ましいなぁ。私も連れてくればよかった」


だけどどうしたものか。俺には先輩という人がいて……ん、あれ?


今 な ん て 言 っ た ?


「ただの後輩だよ。恋人が出来たのか?」


「うん! お陰さまで結ばれましたー! ツンデレで結構可愛い子だよ」


「そうか。それは良かったな。ところで海斗、なぜ教室の壁を殴っているんだ?」


先輩の声は、壁の悲鳴に消されて俺に耳には届かない。


こんにゃろ! こんにゃろ! 嗚呼、わかってたさ。どうせこんなオチが付くだろうとは予想してたさ!


さっきから心の声の語尾に(※)が付いてたから、こういう展開になるのはわかっていたけど、フラグの解消早すぎんだろボケェッ!


しかもツンデレで結構可愛い子ってなんだよ! 男がツンデレとかキモイだろ!ツンデレが許されるのは二次元の女の子限定なんだよぉぉぉおおおお!


と、心の内で叫び続けながら壁を殴っていたが、流石に手が痛くなってきた。