次の日ー。



朝から、部屋を出ると。


壁に寄りかかった森がいて。


「おはよう。黒澤くん。」


不機嫌そうな顔になる森。

「桜姫?」


「どうしたの?」


「昨日から変。」
  

「そうかな?」



「本当、なんかあった?」
 


心配そうな、寂しそうな顔。


「なんかあったよ。」


森の顔見てたら、


思わずつぶやいた。


「なに?」


「なんかあったよ。けど、


黒澤くんには言えない。」



「名前。」


「名前?」

「なんで、黒澤くん?」