《side森》

名前。

やっと呼んでくれた。


桜姫の行動に素直に、喜ぶ自分と
 
呆れる自分がいる。


「森?」

桜姫が上目使いで俺の顔を見る。

「どうした?」

「なんか、考えごとしてるみたいだったから。」

「何でもない。」

「そっか。なら、また明日。」

寮の部屋のまえで別れる。


パタン…






ドアを閉めて、その場に座り込む。

自分で自分がわからない。

なにをしたいのか。



ただ、




今日初めて逢った女の子に



惹かれてる。



今までないくらい、



強く惹かれてる。