ようやく砂丘まであと5キロの看板を左手に曲がり、砂丘が見えてきた時にはうっすら夕日が見えてきた頃で2人は近くのお土産売り場に車を停め、ダッシュで砂丘へと迎った。

近くにはらくだに乗った観光客や小さな子供が空き瓶に砂を詰めるなど膨大な広さの中には全てが小さく見えるほど感動を与え、まさに心が洗われるような感覚になり、2人とも立ち止まって遠くに見える高台を見つめていた。

しばらく見つめていた後、2人はさらに高台を目指しダッシュをしたものの、思ったより遠いのと、砂に足をとられて思うように進めない状況にへとへとになりながら、ようやく頂上につくことができたのだった。
大げさすぎるが、登山家がなぜ山に登るのか、それは頂上に上がった時の達成感とその景色を見たいから、と言う言葉が思い出され、ベタにもヤッホーとか叫んでしまっていた。

たいした高さでもないのだが、その頂上から見渡す水平線はすばらしくキレイで、ちょうど夕日が沈んでいく所を始めて見る2人は、黙ったままその場に座り込んで、それぞれの思いにふけりながら、じっとその場で遠くの水平線を見つめていた。