あたしね……どうしても貴方を振り向かせたいの。
もう……ファーストキスなんてどうでもいいや。
“好きだ”
あたしはただ、その台詞が欲しいだけ。
貴方の心が欲しいだけ。
あたしは少し背伸びして、恭平は少し屈む。
目を閉じれば、ほら。
すぐに、
――チュッ
彼の温かい唇が、あたしのソレに重なる。
「「キャーッ!」」
「マジでしてるぜ!」
周りから聞こえる、叫び声や歓声。
その中にはもちろん、輝くんの声はない。
「……っ、はぁっ……」
唇を離し、目を開いた。
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