「ほらっ、行っといで」

旭に背中を押される。

あたしは席に座った輝くんの元へ、1歩1歩歩きだす。

ドキドキが止まらないっ……!

「おっ、おはよ。輝くん」

きゃーっ!

声がヤバいっ!

噛んじゃったしーっ!

「……はよ、藤咲」

それでも彼は気にしてないのか、普通に挨拶した。

低い声。

髪を触る仕草。

小さな事にも、あたしの心は素直に反応してしまう。