「新入生の皆さん、
ご入学おめでとうございます。
本校では新入生テストを
入学初日にやります。」

担任の先生は漫画に出てきそうなハゲだった(笑

なんてことは思っていられず
クラス中の女子が私に嫉妬のオーラを送り、
私の隣の男子には目がハートになっていた。

入学初日から「王子~!!!!」
と呼ばれるその人は 高校生とは思えないほどの
美しさを放っていた。
(王子って(笑)

名前は雲雀奏也(ひばりかなや)
というらしい。


「美貴~!」

「席変わってよ~」

中学からの友達にはそんなことまで
言われてしまった。

「席を決めたのは私じゃないんだから
私に言わないでよ、香菜」

「じゃあせめて紹介だけでもして?」

「うちでさえ話したことないのに!」





確かに日本人とは思えないくらいの
顔立ちをしていて
甘い香りがほんのり漂ってきて...

すんごくかっこいいんだけど...

「でもなんかあの人、
性格冷たそうじゃない?」

「まぁいいじゃない!欠点の
一つや二つくらい目をつぶろうよ~」

「...なんか違くない?」


私は無口な人より
話しやすい人の方が好きかなぁ~

と私月野美貴(つきの みき)は
思う。


ふいに聞こえてきた女子たちの
黄色い声。

「あっ、あれイケメン生徒会長の
白石眞弘先輩!!」

入学式寝てたから誰が生徒会長とか
知らないよ~




生徒会長も雲雀に負けないくらい
甘いマスクを持つ。
(もはや呼び捨て)

「眞弘せんぱ~い!!」

「白石会長~!!」

会長は笑顔でみんなに手を振ってる。



キ~ンコ~ン♪


チャイムがなると同時に
みんな一斉に席に着く。

「じゃあまず委員会から
決めてくぞ~」

名簿を片手に、
ダルそうな担任が教室に
入ってきた。


来神学園には香菜に誘われて来た。
実家から遠いため、
私たちは一人一部屋という
豪華な寮へ入った。

委員会はなんと
まさかの雲雀と一緒の
風紀委員。

せっかくのチャンスだったのに
一言も話せなかった...



ちゃらら~♪

あっ 香菜からメールだ!


Re:起きてる?

美貴!

雲雀さんと隣の席で
委員会も一緒とかズルすぎる!!

私にもその運分けて~




Re:Re:

席は知らないよ

委員会は私が先に
風紀委員選んだんだしっ!

運は分けてあげられませんww


返信っと




でも、いきなり運良すぎだよね、私。
雲雀は余ってたから風紀委員に
入ったんだし...

もうちょっと愛想良くしてたら
もっとかっこいいのに
もったいないなぁ~


仲良くなれたら嬉しいけど、
ファンの女子達が怖い...



その後香菜と他愛もない話をして、
寝たのは夜中の
1時を過ぎた頃だった。




半ば寝ぼけて教室に入った私は
自分の席に着くなり
耳がつぶれるくらいの
悲鳴に近い女子たちの叫びを
聞いた。

朝からありえん...

取り巻き集団に囲まれて
だいぶ派手な雲雀奏也様の
ご登場。

相変わらず冷めた顔してる...


休み時間に自分の席にいると
取り巻きたちに埋もれてしまうので、
私は香菜のところへ非難した。

地味な私があの中へ入り込める
はずもない。


「次、昨日やった新入生テスト
帰ってくるよね?」


いかんっ

忘れてたっ