「蓮流さん。」


椿は声を掛けるが蓮流からの返答はない。




「蓮流さん!」



3回読んだところでやっと蓮流に声が届いた。

しかし振り向いた蓮流の目は、赤く充血していた。


「蓮流・・・さん・・・」
「あ・・・変なとこ見られちゃったな・・・」


蓮流は、空を仰ぎ見るように頭の方向を上にあげていた。
タオルの上から手で押さえ、目を隠していたが泣いていた。


「ど・・・どうしたんですか?何かあったんですか?」

椿は、慌てながら事情を聴こうとするが、蓮流の涙が止まらなかった。



「蓮流。」


後ろを向くと、そこには禮漸がいた。