「あいつも、椿と一緒で、どう接していいのか判らないのかもしれないべ。」
「昔のことがあったから・・・ですよね?」

「・・・」

「火燐さんと・・・父から聞きました。」


親父の名前を出すと、緑涼さんは驚いて固まってしまった。

「風燕さんのことがあった時、夢の中で父に会ったんです。その時に風燕さんのことを聞きました・・・。具体的なことは、火燐さんから聞きました。」

「そうか・・・。あんなことされたら、誰でも信じれなくなるのは当たり前だべ・・・。」

私と緑涼さんの間に重い空気が流れ始めていた。

「でもあいつなら、きっと椿も信じることが出来る。だから、普通にありがとうって言ったらいいべや。」
「そ・・・そういわれても。」
「大丈夫。そうだ!」


そういうと、緑涼さんは、いきなり席を立ち私を置いて部屋を出てしまった。