「じゃ、じゃ・・・ちょ、朝食にしましょう!」

そういいながら、美佐子が自分の席に着くと、正嗣は美佐子のひざに白いひざ掛けをかける。そして、あの金属のふたを美佐子の前で開ける。
中には、スコーンと小さなボールに入ったグリーンサラダ。ココットに入ったラズベリージャムブルーベリージャム。マーマレードにバターが用意されていた。


「本日の朝食でございます。」


正嗣はそういいながら、ティーカップに紅茶を注いでいく。紅茶のやわらかい香りが部屋中に広がっていく。
カップの横に輪切りのレモンと小さな容器に入ったミルクを置くと、正嗣はにこっと微笑み「お召し上がりください。」と小さい声で美佐子に言う。

美佐子は、スコーンを小さく切り、ブルーベリージャムをつけて口に入れた。


「おいしい。」


そういうと、にこっと正嗣のほうに顔を向ける。それに合わせるように正嗣もにこっと笑った。