すると、正嗣は白のワイシャツに黒のベスト、それに合わせたかのような黒のズボンにネクタイ・・・まるで執事のような姿で美佐子の前に再びあわられた。
「おはようございます、美佐子様。」
美佐子は正嗣のその姿に見とれ、瞬きすることも忘れていた。
「私、今日一日、執事として美佐子様の御そばでお使えいたします。何なりとお申し付けください。」
「は・・・はい。」
正嗣からのホワイトデイプレゼントは、美佐子への時間だった。
いつも、自分のために内助の功を発揮している美佐子への休息時間。
つかの間ではあるが、美佐子がわがままな時間を味わってほしいと正嗣が出した答えだった・・・。