「いいの?」

「いいよ。」

「「やった!」」


女の子が小さな手でぜんざいのコップを受け取る。
その横で、緑涼が手提げ袋にお菓子を入れて男の子の肩に提げてあげる。

「「ありがとう!」」

そういうと、子ども達はゆっくりとした足取りで店を後にした・・・。


「もう少し多めに持ってきてあげるべきだったべな・・・。」


緑涼は子ども達の様子を遠めに見ながらそうつぶやく。


「何も出来なくて・・・ごめんなさい。」
「“ごめんなさい”はいらない。」


椿は、緑涼から予想外の言葉が返ってきたことで驚きを隠せなかった。


「椿は、ちゃんとやってたよ。子どもの目線にあわせて、話を聞くことが出来たじゃないか。」

「だから俺たちもそれを見て、何とかしてあげないとって思ったべや。謝る必要なし。」


緑涼はそういうと「さ、他が終わるまで待つべ(笑)」といってショ-ウィンドウの奥に入っていった・・・。

「俺たちも待つとしますか?」
「はい。」

禮漸と椿もショーウィンドウの奥へ帰っていった・・・。