「どうしたの?」
椿は子どもたちの前でしゃがみ、視線を合わせる。
4歳ぐらいの女の子と2~3歳ぐらいの男の子。ぎゅっと手をつないだまま、椿の顔を見つめる。
「お饅頭・・・もうないの?」
「ごめんね。」
「おねぇちゃん・・・」
「どうしよう・・・(困)」
泣きそうな顔で子供たちが椿を見つめる。そこへ緑涼がやってきて・・・
「ごめんな・・・これじゃだめかな?」
そういって、子供たちの前にさっきの焼き菓子の詰まった小さな袋を2つ見せる。
「「うわ~!」」
子供たちはきらきらとした目でその焼き菓子を見つめていた。
「よかったらこれも持っていきな。」
禮漸が手にしていたのは、紙コップに入ったぜんざい。自分達用に別にしてい
たものだった。