「す~っ・・・」


禮漸は息を吸うと、左手を結界の張られたドアにぴたっとくっつける。結界が放つ火でさえももろともせずに・・・。


「開けるぞ!」


そういうと“いやっ!”というと、思いっきりドアをこじ開けた・・・。


開けた先にいた火燐と椿はびっくり。大火傷を負っているのに、無表情なまま、自分達を見つめていたからである。


禮漸はそのまま火燐のほうに足を進める。火燐の前に立つと、右手で火燐の頭を押さえつけ、無表情のままじっと見つめこういった・・・。