(病院5階 親父の病室)

「親父。」
「ありがとな、椿」

私は親父を見取ることにした。

迷った


ずっと迷った。


親父を看取るのかどうか・・・。


10年の空白の時間を、数ヶ月のものすごく早い時間で埋めようと私も親父も必死だった。