「かなり心配してたよ。でも、最後は“娘をよろしくお願いします”って。連絡先もその時聞いてたの。だから、1週間単位でかな、メールで連絡してって感じ。」

「知らなかった・・・。だから、あの時、親父が普通にここに来たんだ。」


「びっくりしたでしょ(笑)」


「はい・・・ご迷惑をおかけしてすみません。」


「これは迷惑じゃない。親が子供を心配するのは当たり前のことだし、オーナーとして従業員を責任持って預かってるんだから、連絡しないといけない場合だってあるしね(笑)」


そういって、美月は椿の背中をぽんと叩いた。そして、ドアにかかった子猫のモチーフをOpenからCloseに換えていた。


「できましたよ、お二人さん。」


めがねさんはそう言うと、カウンター越しにティラミスを出してきた。