「父の葬儀の時は、いろいろありがとうございました。」


「ううん。私達もありがとうって言わなきゃいけないなって思ってたの。」
「僕達は、不謹慎かもしれないけど・・・春河さんのお父さんの葬儀がきっかけだったんだ。」


「うん。椿ちゃんと一緒にお葬式の準備してて、彼のいろいろなことに気づいたんだよね。」
「僕も。そこから発展したって言うか・・・なんていうか・・・。」



「そうだったんだ。じゃ、私と父がキューピットになっちゃったんですね(笑)」



「そうみたいね(笑)椿ちゃん、今は親戚の方と住んでるんでしょ?どんな人?」

「父方の親戚なんですけど、父が亡くなって実家戻ったらもういて(笑)今日から自分が椿のお父さんだって・・・すごく優しい人です。心配性なところもあるんですが・・・。」

「実家にいたって・・・。」

「父と一緒に住んでたそうです。今日、街に出るって言ったらすごく心配してて、大丈夫かとか、椿一人で行かせるの不安だとか・・・(笑)」

「本当のお父さんみたい(笑)ほかの親戚の方もそんな感じ?」

「はい(笑)もう、みんな優しくて、面白くって、今、みんなといるのがすごく楽しいんです。」

「そうなんだ。実は心配してたんだよ。ここに来た時みたいに、暗い感じに戻ってないか。でも、大丈夫みたいね。」

「ありがとうございます。」

「私ね、椿ちゃんに黙ってたことがあるの。」


そういうと、美月はコーヒーに口をつけ、一呼吸整えていた。