「大丈夫か?泣いてるけど・・・」


蓮流が椿の異変に気づき、顔を覗き込む。


「ずっと不安だったんじゃねぇ?」
「なしてだ?」

「椿は・・・俺達に料理を作ることがあってもお菓子はなかったじゃん・・・。」

風燕は、下を向きながら照れくさそうに緑涼の質問に答える。

それを聞いた緑涼は、蓮流の横で気が抜けたようにぐったりした椿の頭を力強く掴むとそのままの力でなでる。


「そんなに心配しなくても、椿の作る料理はどれもうまいべや。」

「本当に?」

「んだ。椿の気持ちがこもった物は、どれもあったかかくておいしいから。だから・・・」


そういうと、頭から手を離す。椿が顔を緑涼のほうに向けた瞬間、緑涼は椿の両方の頬を思いっきり引っ張った。