「こんなに・・・」

「んだ。最初に焼芋、次に天麩羅や菓子にするべ。で、最後は保存食として干し芋にする。こんな感じだべな、毎年。」

「いろんな楽しみ方があるんだ。」

サツマイモといっても様々な料理に変わる。てんぷらにお菓子に様々なものに変わる。

それが椿の中で新鮮に感じていた・・・。


「さ、焼くべ!焼くべ!」


緑涼の合図で、芋をアルミホイルに包んで焚き火の中に放り投げる。
赤くなり始めた空に、焚き火の煙がふわっと昇っていく。


数分後


「これは誰の芋だべ?」


緑涼がトングで芋を持ち上げると


「俺の!」


そういって、軍手をはめた風燕がそれを受け取る。

それぞれに行き渡ると、一斉にアルミから出して皮をむく。
黄色くてホクホク感がある実が姿を現す。椿はそれを見るだけで感動していた。