コンコン・・・

「は~い!」

次に椿が向ったのは、火燐の部屋。

扉を開けるとあの時、半壊状態だった部屋が戻っていた。
平安時代の貴族の部屋を現代風にアレンジしたような部屋。
お香の香りが気持ちを癒していく。

火燐はというと、窓の縁に座ってお茶を飲んでいた。


「椿ちゃ~ん!!」


火燐は、椿を見るたびに抱きつく。椿もこの状態にだいぶ慣れてきたらしく
「はいはい」と笑いながらさっと引き離せるようになった・・・。


「いきなりどしたべ?」

「いや・・・聞きたいことがあって・・・」

「なになに?」


「火燐さんって・・・嫌いな食べ物とかってあるんですが?」


それを聞いた途端、火燐は少し悩む。


数秒考えて出た答えは・・・


「無いべ。椿ちゃんの作るご飯おいしいもん!」
「そ・・・そうですか?」




「お前、そうやってみんなに聞きまくるのか?」




ドアのところに風燕が立っていた。