コンコン・・・


「へい~。」


椿は、風燕に用があったので部屋を訪ねた。部屋に入ると、大正モダンのような雰囲気の部屋だった。ソファーの後ろには、大きな本棚とそこに住む本達が存在感を示していた。


「なした?」


「あ・・・ちょっと聞きたいことがあって・・・」


ソファーに寝転びながら本を読む風燕に目を奪われたが、すぐに意識を戻して質問をする。


「嫌いな食べ物とかある?」
「は?そんなもんねぇよ!」


いきなりキレ出した風燕に椿は驚く。


「わ・・・わかりました。」
「何がしたいんだ、お前?」
「・・・内緒・・・。」
「は?なんだそれ?」
「じゃ、お邪魔しました・・・。」



椿はそういいながら、風燕の部屋の戸を静かに閉じた。