椿は、禮漸の向かいにちょこんと座る。
すると、禮漸は、両手を椿の肩に置き、じっと目を見つめながらこういった。



「言いたいことは、今、言っておくべきじゃないのか?」



椿は、禮漸がいきなり口にした言葉に動揺してしまった。


「朝ごはんの時、正嗣と話してるの見てさ“何もない”って言ってたから・・・もしかしたら最後になるかもしれない。だから、言いたいことは飲み込むな!」



「叶いっこないから。」



「叶わなくても言っとくと、なんかあるかもしれないから、な。」




「・・・うん。」


「で、何が言いたかったの?」


「え・・・あ・・・あの・・・」


「うんうん。」