「いつも正嗣さんこんな感じだったの?」
「そうだべ。俺の尻尾、枕にする。気持ちいいんだって。」
「確かに。すごくふわふわしてそうだし。」
「椿も同じこと言ってたべ。」
「そう・・・。正嗣さん寂しがりやな性格だから。」

椿と正嗣の寝顔を見ながら、美佐子はふっと正嗣の過去をつぶやいた。

「俺には、そんな感じにぜんぜん見えないべ。」
「じゃ、火燐さんたちと一緒にいるのが楽しかったのよ、きっと。」
「ふ~ん。」


その話の途中、椿がゆっくり目を覚ました。

「あ・・・お母さん。」
「おはよ。起こしちゃったわね。」
「寝起きの椿ちゃんもかわいいべ。」
「そうですか・・・お母さん何話してたの?」
「昔のお父さんの事。」
「私も聞きたい。」
「じゃ、座って。」


椿が美佐子の横に座ると、美佐子は再び話しを始める。