「禮、あんたの好きな幻想香(げんそうこう)だ。」
「マジで!」
そういうと、禮漸は袋をあけその葉の香りを味わう。
「どうやって手に入れた?」
「内緒のルートでな。お前がまた夏に返ってくるだろうと思って用意しといた。持ってけ。」

そういうと、女将は禮漸の右手にその袋を握らせた。

「ありがとな、女将。」
「あいよ。」

そういうと、禮漸は腰元に袋を吊る。

「じゃ、行くわ。」
「いっといで。」

そういって煙草屋を後にした。