「いらっしゃい。」


キセルをふ~っとふきながら、客を出迎える初老の女性。
頭の右側には人間の頭蓋骨の一部がお面のように乗っていた。

「いいのは入ってるよ、鬼の子。」
「その言い方もうやめてくれよ。」
「ガキのときからここに居たんだ。昔の呼び方で呼ばせてくれや、鬼の子。」

どうやら、女将と、禮漸は知り合いのようである。

そんな彼らの話そっちのけで、蓮流と火燐と椿は飾っているキセルを見つめていた。

「すごく綺麗・・・。」
「本当だべ・・・」
「すごい細工されてある。」

「綺麗なキセルだけど、お前たちが簡単に持てるようなものじゃないよ。」

女将は、蓮流達に向ってあきれたような口調でそう言い放つ。


「そうだな。もっても似合わないと思うし・・・(笑)」
「そうだべ。それにある意味から悪くするから、煙草は・・・(笑)」

なだめるように、禮漸と緑涼がそういった。