この手紙が読まれたあと、みんなが一斉にピンの裏側を見た。そこには全員の名前がくっきりと刻まれていた。

空間には皆の泣く声だけが広がり始める。

風燕にいたっては怒っているのか泣いているのかわからないくらいに動転していた・・・。



「とにかく!泣くな・・・泣くでねぇ!」
「これ聞いて泣かないでいられるかよ、緑涼!」
「そうだべや!」
「でも、泣いてても何も始まらないし、正嗣が心配するよ。」

「そうだよ・・・きっとお父さん心配して戻ってきちゃうよ、これじゃ。」


「静かに眠らせてやろう、だから泣くでねぇべや!」


緑涼は大きな腕を精一杯伸ばしてみんなを抱きしめた。

泣きながら抱きしめた。

みんな、その中で思いっきり泣いた。

みんな・・・