「椿・・・お前(笑)」
「大丈夫だよ(笑)こっちはみんなこんな感じの作り建物ばっかりだから、そんなに敷居が高いとかの感覚は無いから(笑)」
「そうなんですね。」
その様子を見て、文乃はすこしクスッと笑うと椿に向ってこういった。
「そんなに緊張されなくてもいいですよ。ここはゆっくり羽を伸ばす場所ですから。」
と・・・
廊下の先には、外へ出る扉と各部屋につながる廊下への道があった。文乃は何も気にすることなく外への扉開ける。
「今年も離れだ!」
「騒いでも大丈夫だな!」
「やった~!露天風呂付いてる?」
「付いてますよ。去年と同じお部屋をご用意いたしましたので。」
「禮漸さん。」
「なしたべ?」
「すごいお部屋なのかなって?」
「いや、普通の離れだな。しいて言うなら・・・すごく静かな場所にある。森の景色が綺麗。酒盛りしても騒いでも怒られない広い離れってとこかな。」
「そんなに騒ぐことあるんですか?」
「そりゃ~もう。みんな飲むし、騒ぐし、枕投げしたりするし、毎年大変だよ。ま、それを俺と緑涼さんと正嗣で交代しながら監視って感じだった。」
「そうだったんですか・・・」
椿の心の中では、大丈夫なのかという不安な気持ちしか浮かばなかった・・・。