月下楼の中に入ると、赤を基調とした艶やかな空間が広がっていた。多くの魑魅魍魎が移動し、椿にはさながらお化け屋敷に入ったような感じになっていた。
館内のロビーから延びた長い廊下を歩いていると、外には日本庭園のような空間が広がっている。
椿はとにかく緊張している。
館内に入ってから、この廊下を歩いている今までずっと・・・。
「椿、どした?」
緑涼は、そんな椿に声をかける。
「私、場違いの服装してないですか?なんかすごく敷居が高いところに来たみたいで・・・。」
それを後ろで聞いていた蓮流と風燕は大爆笑。
椿はその声に驚いて思わず後ろを振り向いた。