それから数十分後

薄暗い道を抜けると、そこには、たくさんの魑魅魍魎達で賑わった江戸時代のような街並みが広がっていた。

椿にとっては新鮮な景色、緑涼達にとっては久しぶりの景色。

その街並みを風を切るように緑涼達は歩いていく。椿も火燐に手を引かれる形ではあるが一緒に風を切って歩く。

客寄せや宣伝にも気を止めず、ただひさすら歩くとその先には大きくて赤い楼閣がどんと風格を漂わせ構えていた。




「つ~いた!椿ちゃんここの旅館だべ!」
「これが・・・旅館・・・ですか?」
「そうだ。ここが月下楼だ!入るぞ!」


そういうと、緑涼はいきなり・・・