「早く帰らねぇと家族が心配なんだよ・・・。」
「私もお父さん達が待ってるんで・・・。」
「彼氏が待ってるんだよね~。あ~!!早く和希に会いたい。」



話は受付のことに・・・

「去年なかったのに、今年になって審査しますなんてさ・・・俺それ聞いて受付でキレそうになったし。」

「みんなそうだよね~。和希なんてマジ切れして、さっきの鬼に中指たてて、佐奈なんかしたらぶっ殺すって。」

「私のところもみんなイライラしてました(笑)受付の方いわく、数日前に会場に侵入して荒らしていった人がいるそうなんです。それで、今年は入場制限する為に審査をするって・・・。」

「マジで、そいつのせいでこうなってるんの?も~マジありえないし!」

「俺も。そいつ見つけ次第フルボッコ決定だな。」


そう話しているうちに、椿達の審査の番が回ってきた。扉を開けると、広い畳の部屋の真ん中に、祭りの主催者と思われる宮司姿の狐の男と黒髪で巫女の姿をした狐の女が座っていた。



「結城佐奈さん、近衛亮輔さん、春河椿さんはじめまして。」



狐の男が、椿達の名前を呼び、頭を下げて挨拶をする。そして自分達の自己紹介をし始めた。