「あの方は、凛香さんといって、椿ちゃんと火燐の傷の処置をしたお医者さんだよ。ものすごいドSだけど・・・」

すると、そのことを聞いたのか、凛香さんの目がこっちに向けられる。

「何か言ったか?禮漸?」
「いえ、なんでもないです(焦)」

椿も思わず頭を横に振る。

「り・・・凛香先生。もうそれくらいにしときましょうや。」

甚平姿の男が凛香を止める。

「そうじゃのう。もう傷は、大丈夫なようじゃしな。火燐もこの娘も。」

そういうと、凛香は椿の頭をぽんと軽く叩いた。

「空我(くうが)。私も一緒に行くでのう。荷物持て!」

そういって、持っていた皮のバックを無理やり渡した。
そしてすたすたと神社の階段を降りていった。