(7・20 AM11:48)

「どこに迎えに行くんですか?」


椿は緑涼にそういうと、裏山の神社だと答えた。
椿はあの夢を思い出していた。

滅びかけた祠をあの夢・・・。


「俺らにとっては、初めて正嗣と会った場所だよな?火燐。」
「そうだべ。あの時は、山の中で何百年暮らして、精神的に疲れてたよね。」
「そうそう。」

そんな話をする火燐と風燕を後ろに見ながら、椿は緑涼と歩く。

「お知り合いの方はどんな方なんですか?」

「うん?おらと同じ鬼で、昔からよくかわいがってた奴なんだ。弟みたいでな・・・」


そう話している緑涼の顔は、いつも以上に笑っていた。