「これ、どしたんですか?」
すると火燐が、「椿ちゃんの浴衣用の反物だべ。」といってニコニコしている。
「私の浴衣・・・ですか?」
「そう。今度、お祭りがあるんだ。人間の祭りとは違ってドレスコードがあって・・・」
「で、それがね、和装だけなんだ。だからみんな浴衣で参加してるべや!」
「人間の祭りとは・・・違う?」
「そう、妖怪のお祭り、その名も妖涼祭。だいたい1週間ぶっ通しでするから、結構にぎわう祭りなんだ。」
「そ・・・なんですか。私、人間なんだけど、参加して大丈夫ですか?」
「たぶん大丈夫だと思うよ。正嗣OKだったし。」
「親父は、みんなを助けてたから・・・」
そんな時、緑涼が来て話に入ってくる。
「椿は家族だべ。駄目だという奴がいたら、椿の親父として、おらが話をつけにいくから。」
そういいながら緑涼は、冷蔵庫から茶の入った瓶を出すと、椿の向かいにさっと座った。