「私も悪いの。正嗣さんを信じられなかったのが悪いの。死んでからそのことに気づいちゃった・・・ごめんなさい。」
「俺もごめん。美佐子の気持ちうまくわかることが出来なくて・・・本当にごめん。」
互いに頭を下げたものだから、ぶつかってゴツンって音が身体に響いていった。
それに気づいた正嗣と美佐子は、ハハハと互いの顔を見て笑い始める。
彼らの間には、もう蟠りはなかったのだ。
「なぁ、美佐子。」
そういうと、正嗣はズボンのポケットから封筒を取り出した。
それは、お盆の帰省列車のチケットだった。
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