「正嗣さん。」
「何?」
「今日何の日かわかる?」
「うん?何々?教えて。」
「向こうの世界の今日は・・・七夕だよ。」
「七夕か。そういえば、椿が小さい頃はずっと笹飾ってたな。」
「うん。椿が5歳ぐらいの時かしら、七夕の時に、正嗣さんお仕事で日本にいなかったの。」
「う~ん・・・あったなそんなこと。たしか一週間イギリスだった時かな。」
「椿のお願い事なんていてたと思う?」
「何々、なんて書いてたの?」
「お父さんのお嫁さんになりたいって書いてたの。その短冊の事、正嗣さんに言おうと思ったんだけど、椿が言わないでって。」
「そっか・・・」
正嗣は少し黙った後、美佐子にあの事を謝ろうと腹をくくった。