「おっさん、結婚してたなんて知らなかったし。それよりさ~、こっちの世界にいるって事は、死んだの?」
「今年の春に死にました。」
「ふ~ん。」
朱桜がキセルを出すと、横にいた部下がさっとキセルに火をつける。朱桜はキセルを口から離すと、ふーっと息を吐く。
「月見から簡単には聞いたんだけど、先に死んだ嫁がどこにいるか探してほしいって事でいいんだよな?」
「あぁ、役所にも行ったんだけど門前払い状態でさ・・・」
「あんなとこ行ったのかよ・・・あたいは嫌いだわあそこ。嫌な思い出しかねぇもん。」
「私も。でも、そこしか思いつかなかったんだよね・・・。」
たわいもない会話も交えながら話は進んでいく・・・。