「これ・・・親父の?」
「はい。初めてお会いした時、旦那がお忘れになられたものです。なかなかお返しすることが出来なくて・・・」
「ここまで持っちゃうと・・・もう凌縁さんのものですよ。親父の遺品と思って・・・・」
「でも・・・では、こちらだけでも・・・。」



凌縁は、そういうと本を開き、中にあった写真を椿に渡した。


そこに写っていたのは、生まれてすぐの椿とその椿をあやす正嗣、それと母の美紗子だった・・・。