「悪い人間達が、俺とお袋を自分達の欲を満たすっていうのかな・・・まぁ、そんな為に利用しまくってんだよね。ガキだった俺は、何も助けられなかった・・・助けたいのさ・・・お袋を助けられなかったんだ。」
蓮流の話は、椿の事などお構いなしにどんどんディープなところへと進んでいく。
「何日かして、親父が助けに来たんだよ。大立回りっていうの?中に入るなり、ばったんばったん薙ぎ倒してさ・・・すごかったんだ。俺を抱えると今度はお袋の所に行くんだけど・・・俺と親父の目の前で殺されたんだよ、お袋が・・・。首切られてさ・・・。」
椿が顔を上げると、蓮流の眼に涙が少し浮かんでいた。あの時と同じ悲しそうな赤い眼をして・・・。